在英エンジニアのイギリス転職/キャリアコーチブログ

日本で6年働いた後に、イギリスの現地企業へ転職して働いています。海外を目指す日本人へ向けたキャリアコンサルティングをしています。

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海外移住者必見:イギリスの政治状況と政党、国会の仕組みを徹底解説

海外移住者必見:イギリスの政治状況と政党、国会の仕組みを徹底解説

イギリスは長い歴史と独自の政治体制を持つ国で、海外移住者にとって理解しておきたい政治制度があります。移住先の国の政治状況を知ることは、日常生活から仕事に至るまでのさまざまな場面で重要です。特に、イギリスの政治体制は独自の仕組みや歴史的な背景に基づいており、複雑でありながら興味深い特徴を持っています。この記事では、イギリスの政党や国会の仕組み、そして現在の政治状況について詳しく解説します。僕自身もイギリスで働くなかで、この国の政治を理解することがいかに重要かを実感しています。

1. イギリスの政治状況:歴史と現在のトレンド

歴史的背景とイギリスの政治的伝統

イギリスは議会制民主主義を導入した最初の国の一つであり、独自の歴史的な政治伝統を持っています。イギリスの議会は13世紀に遡り、19世紀の「グレート・リフォーム法」などの影響を受け、徐々に国王の権限が制限され、議会中心の政治が確立されました。イギリスの政治は、二大政党制が主流であり、保守党と労働党が交互に政権を握る傾向があります。

この背景が、現代のイギリスの政治にも深く影響を与えています。特に、2016年のEU離脱(ブレグジット)は、保守党と労働党の対立をさらに明確にし、イギリスの政治構造に大きな変化をもたらしました。ブレグジットの影響で、保守党は国益優先の「ソブリンティー重視派」としての立場を強調し、一方で労働党は国際協調路線を主張するようになっています。

現在の政治情勢とトレンド

現在のイギリスの政治は、保守党が与党、労働党が野党という形で展開しています。2023年時点では、保守党が2010年以降続いて政権を維持している状況です。しかし、国内外の経済問題や社会福祉の課題を背景に、労働党への支持も増加傾向にあり、世論調査では次期総選挙での労働党の勝利を予測する声もあります(YouGov調査2023)。

僕もイギリスで働きながら、政治の変化が企業の規制やビジネスの状況にどのように影響を与えるかを目の当たりにしてきました。例えば、ブレグジット後のEU規制の撤廃に伴い、輸出入手続きや雇用制度が変化し、現地で働く日本人にも直接的な影響が出ています。

海外移住者にとっての関心ポイント

海外移住者にとって、イギリスの政治は労働環境や移住政策に直結するため、無視できない重要な要素です。移住ビザや労働権利に関する政策は、特に保守党政権の下で変更が続いており、今後の政権交代があればこれらの政策にも影響が出る可能性があります。また、近年のインフレや公共サービスの圧迫など、経済状況が変動する中での社会政策の動向も注視が必要です。

2. イギリスの主要政党:保守党と労働党、その他の政党の役割

保守党:経済自由化とソブリンティー重視の姿勢

イギリスの保守党(Conservative Party)は、歴史ある右派政党で、経済自由化や小さな政府を支持する政策が特徴です。特に近年のブレグジットを強く推進し、独立した国家としてのイギリスの主権を強調する姿勢を見せてきました。保守党の主な政策は、税制の引き下げや民間企業の成長を促進する一方、社会保障費の削減を図るというものです。

例えば、現在の保守党リーダーであり首相のリシ・スナック氏は、税制改革や財政赤字の削減に取り組んでいます。スナック氏は、経済自由化と競争力強化を重視する立場から、移民の受け入れ基準を厳しくし、ビジネス環境を活性化する政策を推進しています。このような政策は、企業で働く日本人にとってもビジネスチャンスが増える一方、移民政策の制限強化によりビザの取得難易度が上がる可能性があるため、注意が必要です。

労働党:福祉拡充と国際協調路線

一方で、労働党(Labour Party)はイギリスの代表的な左派政党であり、社会福祉の充実や労働者の権利保護を重視しています。労働党は、公共サービスの強化、特に医療や教育に対する投資を増やすことを政策の柱としています。近年の党首であるキア・スターマー氏は、ブレグジットに対しても柔軟な姿勢を見せており、EUとの協力関係を強化する方針を掲げています。

僕がイギリスに移住した時期も労働党が支持を得ているタイミングで、社会福祉や生活支援が手厚く、教育環境や医療サービスが充実していました。移住者にとって、労働党政権下での福祉政策は安心感を与えるものですが、一方で税率の引き上げなどが検討される可能性があるため、働き方や収入に影響が出ることも考慮する必要があります。

スコットランド国民党(SNP)と自由民主党(Lib Dem)

イギリスには保守党と労働党以外にも、影響力のある政党が存在します。その一つがスコットランド国民党(SNP)で、スコットランドの独立を目指し、特にスコットランド地方で高い支持を得ています。また、自由民主党(Lib Dem)は、EUとの協調関係やリベラルな社会政策を支持する中道左派の政党です。ブレグジット反対派として活動していた経緯もあり、移民や福祉政策に寛容な姿勢を示しています。

SNPの政策は、スコットランド地方に住む海外移住者にも影響を与えるため、スコットランドへの移住を考えている方は注目しておくべきです。例えば、SNPが独立運動を進める際には、移民ビザの方針やビジネス環境が変化する可能性があります。

3. イギリス国会の仕組み:二院制と議会の役割

イギリスの二院制とその役割

イギリスの国会は、二院制を採用しており、庶民院(House of Commons)と貴族院(House of Lords)で構成されています。庶民院は、国民によって選出された議員で構成され、実質的な立法権を持つ主要な院です。これに対して貴族院は、任命制の議員で構成され、立法の見直しや助言の役割を果たします。このような二院制は、政策の安定性やバランスを保つための仕組みとして機能しています。

庶民院は選挙で選ばれるため、政党の影響力が大きく、議席数が政策決定に直結します。例えば、現在の庶民院では、保守党が多数

を占めているため、保守党の政策が優先的に実行されています。一方で、貴族院は長期的な視点から政策を見直す役割を果たしており、立法に対する抑制的な機能を担っています。

首相と内閣の役割

イギリスの政治における実権は、首相と内閣が握っています。首相は、議会の最大政党の党首が務め、内閣を率いて政策の立案や実行を行います。内閣は、国会で承認された法律を実行に移し、国の行政を運営する役割を担っています。首相は、国際的な交渉や重要な政策決定においてリーダーシップを発揮し、イギリス全体の舵取りを行います。

例えば、リシ・スナック氏が首相として税制改革や社会保障の見直しを進めていることで、ビジネスや日常生活に影響を及ぼしています。海外移住者としては、首相や内閣の政策動向を把握しておくことで、生活環境や雇用条件の変化に対応する準備が可能です。

国会での法案可決プロセス

イギリスの国会では、法案が提出されると、まず庶民院で審議が行われ、その後、貴族院で審議が行われます。両院での審議を経て、最終的に国王の裁可が与えられた後に法案が成立します。このように、イギリスの法案可決プロセスは、時間と手続きを重視するため、慎重な政策決定が行われるようになっています。

僕もこのプロセスを理解することで、イギリスでの規制や法律の変更に対して適切に対応できるようになりました。特に、ビジネス関連の法律や労働規制は、国会での審議を通じて変更されることが多いため、関連ニュースや法案の進展をチェックすることが役立ちます。

結論:イギリスでの生活に役立つ政治知識を備えよう

イギリスの政治状況や国会の仕組み、主要政党の政策を理解することは、移住者にとって重要な要素です。日常生活や仕事の環境に直接影響する可能性があるため、最新の動向や政治の変化に注目することが求められます。僕自身、イギリスでの生活を通じて政治が日常に与える影響を実感しており、皆さんにもこの知識を身につけることをおすすめします。